ユーモア小説から、ミステリ小説まで幅広い作風で知られる荻原浩さん。
サラリーマンが主人公だったり、逆に退職者が主人公だったり、作風同様に登場するキャラクターの幅も広いので感情移入しやすい主人公が活躍する作品がきっと見つかると思います。
今回は荻原浩さんの “読んでおきたい!作品” の文庫で読めるおすすめ作品5選をチョイスしました。
この記事のもくじ
おすすめ著書5選
ハードボイルド・エッグ (双葉文庫)
フィリップ・マーロウに憧れ、
マーロウのようにいつも他人より損をする道を選ぶことに決めた「私」こと最上俊平。
だが、持ちこまれるのはなぜかペットの捜索依頼ばかり。
そろそろ変わらなければならない。しかるべき探偵、しかるべき男に。
手始めに美人秘書を雇うことにしたが、やって来たのはとんでもないナイス・バディ(?)な女で……。
くすりと笑えてほろりと泣けるハードボイルドの傑作。
荻原浩さんの作品の中で最も好きな作品です。
僕は一度読んだ小説をあまり読み返すことがないのですが、本書は今までに何度も読み返しました。
何度読んでも面白く味がある作品です。
ちょっと落ち込んで気分を明るくしたい時や、さわやかな感動を味わいたくなった時など喜怒哀楽の様々な感情にうったえてくるエッセンスが詰まった作品です。
ぜひ読んでみてください。
主人公の最上俊平と荻原浩さんのファンになること間違いなしです。
オロロ畑でつかまえて (集英社文庫)
超過疎化にあえぐ日本の秘境・牛穴村が、村おこしのため、倒産寸前の広告代理店と手を組んだ。彼らが計画した「作戦」とは!? 痛快ユーモア小説。第10回小説すばる新人賞受賞作。(解説・池上冬樹)
荻原浩さんのデビュー作である本書は、まさに荻原浩さんの入門書と呼ぶにふさわしい内容です。
ドタバタとしたユーモラスな雰囲気といい、作品を通した明るく元気な作風はデビュー作から完成されています。
サクサク読める文章のリズムも素晴らしいです。
神様からひと言 (光文社文庫)
大手広告代理店を辞め、「珠川食品」に再就職した佐倉凉平。入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となった。クレーム処理に奔走する凉平。実は、プライベートでも半年前に女に逃げられていた。ハードな日々を生きる彼の奮闘を、神様は見てくれているやいなや…。サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説。
現代を生きるサラリーマンならどこかしら共感できる部分が見つかるであろう作品です。
荻原浩さんの作品の特徴として個性あふれるキャラクター陣がたくさん登場する点があります。
本書はその特徴が最大限に発揮されています。魅力的な登場人物の活躍で最後まで飽きることなくページをめくることができます。
僕たちの戦争 (双葉文庫)
“根拠なしポジティブ”の現代のフリーターと、昭和19年の「海の若鷲」にあこがれる軍国青年が時空を超えて入れかわった!それぞれの境遇に順応しつつも、ふたりはなんとか元の時代に戻ろうとするが…。おもしろくてやがて切ない、愛と青春の戦争小説。
本書は森山未來さん主演でテレビドラマ化しています。
テーマが “戦争” です。またタイムスリップ物でもあるのでSF的な要素もあります。
考えさせられる戦争の描写もあります。ですがエンターテイメント作品としても一級品の面白さです。
サニーサイドエッグ (創元推理文庫)
私は最上俊平、私立探偵である。ハードボイルド小説を愛する私は、決してペット探偵ではないのだ。だが、着物姿も麗しい若い女性とヤクザから、立て続けに猫捜しの依頼が。しかも、どちらの猫もロシアンブルー!?なりゆきで雇うことになった秘書に、独自に習得した猫捜しの極意を伝授し、捜査は順調に進むはずが…。名作『ハードボイルド・エッグ』の続編、いよいよ文庫化。
「ハードボイルド・エッグ」の続編です。
僕としては最上俊平の物語がまた読めるということで小躍りしてしまいました。
ユーモアなハードボイルド小説の本書。ぜひ続編を期待しております。
まとめ
以上が、荻原浩さんの文庫で読めるおすすめ著書5選です。
少しかたより気味なおすすめ著書かもしれません。
俳優の渡辺謙さん主演で映画化された「明日の記憶」や、水谷豊さん主演の「愛しの座敷わらし」は選びませんでした。そういった映像化もされて賞もとっている有名作品は方々で紹介されているのであえて僕がおすすめするのもどうかと思いましたので。
最後までお読みくださりありがとうございます。
それではまた。
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